外注と給与の判断に要注意 外注費を給与と判断されると追加納税となる

プログラマーやエステ関係などの業種の決算書の経費について給与の計上がなく外注費が多いことがあります。

そのような決算書を目にする時、給与と外注費の判断が間違っていないのか気に掛かることが多いです。

安易に外注費を使っていると税務調査時に給与と判定され追徴課税が多額になってしまうケースがあるので注意が必要です。

外注と給与の3つの違い 外注費は給与に比べて依頼者の負担が少ない

ご覧いただきありがとうございます。荻窪の税理士・公認会計士 守屋冬樹です。

給与と外注費では支払者側の取り扱いとして大きく次のような3つの違いがあるのをご存じでしょうか?
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主な違いとしては社会保険料や消費税の取り扱い、源泉徴収の必要性など。基本的に給与よりも外注費の方が依頼者側にとって金銭的、事務的に負担が少ないのです。

源泉徴収の必要性についてまとめた記事はこちら
個人事業主が支払う給与・報酬 源泉徴収をするケースもある

そのため、実質的に給与であっても外注扱いとして契約し、経理上も処理をされていることが多いのですが、税務上は給与と外注の判断は契約だけではなく、実態も考慮して判断されるので注意が必要となります。

給与と外注費の判断基準

結んでいる契約が雇用契約か請負契約かどうかの形式に加え、次の判断基準から業務の実態も勘案して総合的に判断されることとなっています。

空間的、時間的な拘束をされているかどうか?

契約内容が他人が代替しても業務を行えるかどうか

他人であっても良いのであれば外注としての性質が強い(外注先のスタッフでも可能なため)

役務の提供に当たり事業者の指揮監督命令を受けるかどうか

指揮監督命令を受けないのであれば外注としての性質が強い(実質的に雇用されていると業務手順など指示があり監督もされるため)

契約している方に独立性(己で計算、危険を負って事業を営む)があるか?

まだ引き渡しをしていない完成品が不可抗力のため滅失した場合でも、報酬を請求ができるかどうか

報酬の請求が出来ないのであれば外注としての性質が強い(外注であれば完成・納品しなければ請求は出来ません)

必要な材料や作業用具が提供されているかどうか

材料等の用意をする必要があるのであれば外注としての性質が強い(必要な材料や作業用具は雇う側で提供されていれば給与ととらえることが出来ます)

給与と判断されると税金への影響が大きい

また補足する判断項目も多々あり

  • 福利厚生があるかどうか
  • 外注先が自ら請負金額を計算し、請求書を発行しているか(なしなら給与)
  • 日当計算があるかどうか
  • ユニフォームや制服が支給・貸与されるか

なども検討、税務調査時に外注ではなく給与と判断されてしまうケースもあるのです。

特に消費税の納付義務があるケースで給与でないと判断されてしまうとその影響は大きく、消費税の追加納付は外注先への支払額×8/108。

仮に1,000万円の報酬を支払っていたら74万円も追加で消費税を支払うことになってしまいます。それが過去数年分まとめて追加で税金を支払うことになると資金繰りへの影響は大きいです。

まとめ 安易に外注費処理にしない

税理士や会計士はもちろん税務署の職員であれば決算書を目にするだけで外注費の中に給与が紛れているのでは?と推測が出来てしまうもの。
資金繰りにも大きな影響となる論点ですので安易に給与は面倒だからと外注費で処理をせず慎重に判断することが必要です。

事前に会計事務所などへ相談しておくと良いですよ。