利益と資金残高のズレは何故生じるのか?

顧問として関与し始めた時期のお客様から良くある質問の一つに「利益と資金残高にズレがあるのだけど、その原因は?」というものがあります。

今回はこの利益と資金残高のズレについてなぜ起こるのか解説していきます。

利益と資金残高のズレが発生する原因

ご覧いただきありがとうございます。杉並区荻窪の税理士・公認会計士 守屋冬樹です。

利益と資金残高のズレの原因は利益の計算(売上-経費=利益)とお金の入出金では必ずしもリンクしないことがあげられます。

この内容、実は事務を長年されている方でもよく分かっていない人も多い論点で今回は一般的なケースとして主に次の2点からでご紹介していきます。

売上や費用の計上と入金のタイミングが違う

商売を営まれている方の多くは資金繰りに意識が向いているのではないでしょうか?売上の入金タイミングや、各種支払い時期はいつなのか収支を捉えている経営者の方も多いです。

ただ、実際の経理処理では売上や各種経費について入出金ベースではなく、発生主義と呼ばれる方法で処理されます。この発生主義のタイミングとしては業務の完了の時点でして、その処理は入出金のタイミングよりも早くなります。

たとえば、下記の図では業務の完了が3月、その代金が入金されるのが4月のケースとなりますが、

3月の時点で売上(収益の増加として利益となる)が計上されます。資金の入金は4月なので、利益の方が資金の動きより早くなります。

今回は売上から説明しましたが、経費の支払いにも同様のズレがありますし、他にも会社設立前の支払いや高額の購入取引のケースでは複数年にわたって徐々に経費とされることもあって利益と資金の増減は一致しません。

売上や費用にならない入出金が利益と資金のズレに繋がる

また、他にもすべての入出金が利益に影響を与える取引となるとは限らないことも、利益と資金残高がズレてしまう原因となります。

経理処理は会社が行った取引について収益(売上など)、費用(人件費、その他経費となるもの)以外にも資産(現金預金、在庫、機械や車など)、負債(借入金など)、資本(その会社への出資)という項目を使って記録します。

収益、費用は決算期間ごとに儲けを明らかにする損益計算書に組み込まれて利益を計算し、資産、負債、資本については財政状態を明らかにする貸借対照表(たいしゃくたいしょうひょう)に組み込まれます。

そのため

  • 社長・会社から社長への給与以外の資金移動
  • 不動産賃貸契約での敷金の支払い
  • 会社が借りたローンの入金
  • その会社への現金での出資

などの取引は利益を計算する際の収益や費用に影響を及ぼさず、資産と負債、資本金の増減として処理させてしまいます。

これらの取引があることも利益と資金残高のズレの原因となります。

利益と資金の動きの違いを知って経営に活かす

大枠として上記2点によって利益と資金残高の違いになると理解していただければと思います。

利益と資金のズレについては多くの経営者の課題となっていて、勘定あって銭足らず、黒字倒産などの格言や、資金収支を明らかにするキャッシュ・フロー計算書という決算書ができた経緯がある論点です。

弊所としても、顧問先のお客様には定期的に独自の分析資料を提供してキャッシュフロー計算書を作成して資金の動きについてお伝えしております。

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